こにし

ヨレヨレになったGAPのダウン

今日、久しぶりに大学に行った。

大学の健康診断を受けるための紙を貰う必要があったからだ。

 

雨が降っていたが、もう4月ということで寒さを全く感じなかった。

自分はまだヨレヨレになったGAPのダウンを羽織っていたが、春らしい恰好をした学生が多かった。

 

そして大学の保健室から健康診断に必要なものを貰った後、久しぶりに大学内をゆっくり歩いてみることにした。

 

正直な所、「春らしい恰好」がどういったものなのかはよくわからない。

しかしキャンパス内を歩いている間、デニムのオールインワンの服を着た、アンパンマンに出てくるバタコさんのような服装をした学生を3人ぐらい見かけた。3人共よく似合っていた。だから、春らしい恰好があまりよくわからないけど春らしいなぁと思うことにした。

 

雨が凌げる8号館では、幾つかのサークルの勧誘活動が行われていた。去年は、この時期キャンパス内を歩いていると何かしらのサークルから声を掛けられたが今日は全く声を掛けられなかった。

それは、自分がヨレヨレになったGAPのダウンを着ているからなのか

「尿検査」と太字で書かれた緑の封筒を持ってぶらぶら歩いているからなのか

そもそも興味を持たれていなかったのか、とにかく今日は声を掛けられることはなかった。

 

しばらく歩いた後、帰宅することにした。

 

原付に乗って帰る間、何台もの車が自分の横を通り過ぎていった。

ある車は目的をもって進んでいるようにも見えたし、ある車はただただ急いでいるようにも見えた。通り過ぎる車は自分を羨ましく思わせたり、何となく寂しい気持ちにもさせた。

 

家に着いてバイクを降ろす。リュックに雨をしのぐカバーをせず、健康診断の袋を開けたままにしていたからか、中が少し濡れていた。

 

尿検査の紙は若干ふやけていて、封筒の太字で「尿」と書かれた水の部分の所がにじんで見えなくなっていた。

 

その時、自分は祖父の家に飾ってある何の絵かよく分からない水墨画のことを思い出していた。